共感力(思いやりの心)を育てる

 相手の気持ちを想像することは、共感力の重要な要素の一つです。
相手の表情や行動から気持ちを想像することで、思いやりのある行動に繋がります。例えば、悲しそうな顔をしているお友だちがいたら「どうしたのだろう」「辛いことがあったのかな」などと想像することで、声をかけたり話を聞いたりすることに繋がります。
 特に小さな子どもは相手と自分の境界が曖昧で、相手の気持ちも自分と同じだと考えてしまいがちです。自分が悲しいから相手も悲しい、自分が嬉しいから相手も嬉しい、などと思うこともあります。
しかし、実際は同じ出来事が起こっても感じ方は人それぞれ異なります。共感力を持つためには、自分と相手を切り離し、相手の気持ちを考えてみることが大切です。
 人の感情には、喜びや悲しみ、怒りや不安だけでなく、様々なものがあります。
罪悪感や自尊心、失望なども挙げられるでしょう。子どもの感情の種類は年齢と共に増えていき、5歳頃になると大人と同じ感情を持つようになるという研究もあります。
自分の情緒が発達することで、相手の気持ちを想像する力も高まり、共感力も高まっていくのです。

 子どもは生れた時からそれぞれ取り巻く環境の中で、その時々に出会った人との縁や、出来事の積み重ね、経験に触発されながら育ちます。
子どもにとって人や物の環境こそ大切であり、この育ちの環境づくりに大人は責任を持たなければなりません。
 しかし、物質的な豊かさや利便性を求め、大人の都合を優先させた子育ち環境の仕組みをつくってきた結果、生きる希望が持てないという若者が増えています。
私たち保育士は、子どもの育ちを通してこの問題の重大さに気づきながらも、大きな変革の流れを創り出す力にはなり得ていません。
 子どもが自ら生きる意欲や思いやりを取り戻し、子どもたち一人ひとりの個性が輝く真の子育ちのため、私たちはもっと本気になって取り組まなければなりません。
また、地域における子育ての伝承が消えて、支え合う関係が希薄になる中で、多くの親は子育てを負担に感じています。家庭の子育て力は、保育サービスや経済支援を充実させたからといって高まるものではありません。
「子育てに喜びや希望が持てる社会」を再生するために、保育士は子どもの代弁者として何をどのように発信し、取り組むべきなのでしょうか。
 全ての子どもと家庭に、責任の持てる真の子育て支援ができる社会、親も保育士も生き生きした真の子育てができる社会を目指して、今から出来ることを一歩一歩取り組んでいきます。そして保護者に寄り添い、「子育てが楽しいな」と笑顔で過ごせる保育園であり続けたいと思います。

モンテッソーリ教育を受けた人たち

モンテッソーリ教育が目指しているのは、自立し、周囲に対して思いやりを持てる人物を育てることです。
日本の教育では、「与えられた課題を正確にこなす」ということに主眼が置かれがちですが、モンテッソーリ教育では自分で課題を見つけ、自分の力でやり抜く力が身に付きます。モンテッソーリ教育が広く普及している欧米では、多くの人たちが乳幼児期にこの教育に触れています。(ごく一部の方ですがご紹介します)

  • 政治家
    バラク・オバマ大統領、ビル・クリントン大統領、ヒラリー・クリントン、ジャクリーン・ケネディ
  • 実業家
    ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、マーク・ザッカーバーグ(フエイスブック)、
    ラリー・ベイジ(グーグル)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)
  • 文筆家
    ヘレン・ケラー、キャサリン・グラハム(新聞ワシントンポスト)、アンネ・フランク(アンネの日記)、
    ピーター・ドラッカー(経営学者)
  • 音楽家
    ヨーヨー・マ(チェロ奏者)、ビヨンセ・ジゼル(歌手)
  • 発明家
    トーマス・エジソン、アレクサンダー・グラハムベル
  • 王 室
    ウィリアム王子、ヘンリー王子、ジョージ王子
  • 将 棋
    藤井 聡太

 モンテッソーリ教育は、イタリアの女医マリア・モンテッソーリ氏が子どもを観察しながら、子どもから教えられ生み出した教育法です。
子どもが育つためには環境が大きな役割を果たし、発達に適した環境を整えることで、
「子どもが本来持っている成長の力を発展させていくことができる」と言う考えに基づいています。特徴的な教具を使っての自由選択の自己活動を中心とした、子どもの個性を尊重し、子どものリズムに合わせた教育法と言えます。