私たちの親や祖父母の時代と現代を比べると、少子化、核家族化や価値観の多様化、女性の社会進出などに伴って、子育てや親と子を取り巻く状況は大きく変化しています。
近年は、不登校や非行といった子どもをめぐる問題が深刻化する一方で、学校に対して理不尽な要求をする「モンスター・ペアレント」が話題になるなど、家庭の教育力の低下が指摘され、親と子の在り方という問題が大きくクローズアップされてきています。
そうしたなかで、「親のすべきことは何だろう」「親は子どもとどう関わっていけばいいのか」ということを伝えていく必要が出てきたように感じます。
このように考えるようになったのは、今から30年前に鈴鹿市算所町にあるハンターというショッピングセンター近くのマンション1階で始めたハートピアという認可外保育園の時代です。
その頃は、私自身まだ独身ではあったので北海道から沖縄まで特色ある保育園や幼稚園をたくさん見て回り、乳幼児期に必要な環境構成を学んだ時期でもありました。
色々な研修に参加して、保育を学んだ時期でもあります。
その中の一つの研修で、一般財団法人『親学推進協会』で保護者を元気づけ、親としての成長を促す「親学アドバイザー」の学びも今となれば貴重な経験でした。
親学という言葉には、「親の学び」と「親になるための学び」の二つの意味が含まれています。例えば、親として「子どもの発達段階に応じてどう関わったらよいのか」といった大切なことを学びます。
それらは、知識やテクニックといった小手先の内容だけではありません。
親が自分自身を見つめ直し、成長してもらう為のものなのです。
親が育つ 子どもが育つ
「子育て」というと、親が子どもに対して与えるという一方向のもののように考えられがちです。
ところが、親は子育てをすることで何も得られないわけではありません。
まして、犠牲となるわけでもありません。
子育てを通して子どもからは大きな喜びを与えられ、親として人間として成長することができるのです。
親学では、親のすべき役割を学んでもらうだけでなく、子どもを持つ喜びや、子どもの成長を喜ぶ気持ちを深め、豊かな親心を育むことが大切だと考えています。
つまり親学は親になるための学びであるとともに、親が人間として成長するための学びでもあります。
これから親になる人はもちろん、現在子育て中の人が親学を学ぶことにより、親としても人間としても成長し、子育てに自信を持てるようになって欲しいのです。
子育ての教科書はどこにもないかもしれませんが、このような「志生会だより」を通して親学のささやかなヒントになって欲しいと思っています。
そして子育てを楽しみ、かけがえのない貴女の人生を謳歌して頂きたい。
肩の力を抜いて 子どもに向き合う
親も子も、上手く出来なくて当たり前 子育てに正解なんてないんだよ。
どんな素晴らしい人でも、子育てで悩まない、なんてことないもの。
自分が完璧じゃない事に落ち込まないで、
子育ては一人でするものじゃない、皆でするものだから。
でもね、ただ一つだけ忘れてはいけないことがある。
それは、貴女の子どもは、何時も貴女を求めているということ。
幾つになっても、どんな時でも、誰も貴女と代わることは出来ないのだから。
心体能力を鍛える~心の基礎体力
勉強が苦手だから頭が悪いと思い込んでいませんか?先天的に頭のいい人はいません。
頭の働きは「心体能力」で違ってくると言えるでしょう。
どんな人でも、自分の個性と運命に必要な頭の働きを持って生まれてきています。
生まれ持っている「心体能力」を使いこなしているかによって、頭の働きが違ってくるのです。
自分の「心体能力」を信じて育てていけば、自分は頭が悪いと思ったり、自信がなかったりなどの苦しい思いをせずに済むかもしれません。
喜怒哀楽や好き嫌いなどの感情の中には、強い自分と弱い自分が心の中にいます。
弱い自分が顔を出しがちな人こそ、「心体能力」を付けておく必要があると思います。
それが、感情と感覚を育てることです。それに伴って、心の感じる力も強くなるはず。
「心体能力を鍛える=五感を育てる」
そうすることによって、心は鍛えられ、心は豊かになると思います。