幼児教育に携わって31年になり、認可外保育園時代には沢山の子どもたちに勉強を教えてきた時代もあります。
長い月日の中で早期教育について保護者から尋ねられることがあります。
「小学校へ進学して人並みにやっていけるように・・・」という保護者の思いは分かりますが、「早くに走り出せば、それだけ多くの実りが得られる」というほど、人間は単純には出来ていないようです。もちろん、お勉強をする時期ではありません。
乳幼児期は近い将来に向けて学校生活に順応できるように、「心の土壌を深く耕していく時期」です。
耕されていない大地に種をまいたところで、力強い苗が育つでしょうか。
今を存分に子どもらしく生きることが、未来に向けて花を咲かせることになるように思います。
沢山の子どもたちを教えてきて思うことは、乳幼児期に大切なことは「学ぶ力は絵本にある」と言っても過言ではありません。
- 言葉の力~豊かな語彙を使って考え、表現する力
- 言葉を繋げて新しいものを組み立てる力~思考力
- お話を集中して聞く力~先生の言葉を聞く力
- 抽象的な思考力、想像力
- 活字や本への親近感
- 知的な好奇心
身近な絵本での活動が、「あと伸びする子どもを育てる」為の一番の近道であるように思います。
絵本は子どもに人としての力と恵みをもたらします。
そして、その副産物として親と子の結びつきを深めていくのです。
しかし、この結びつきを危うくする物も、家庭には存在します。
それは、テレビやスマートフォン、タブレットなどの電子メディアです。
生活必需品として日常に浸透しているものでもありますが、多くの時間を電子メディアが占めることは、子どもの言語の発達を遅らせ、意欲や集中力や思考力など、人としての力を弱めていくばかりです。
意識して、電子メディアを遠ざけてみませんか。その中から、きっと子どもと過ごす新しい時間の発見があると思います。
出来れば、家庭に静かな時間を取り戻して下さい。
その静けさの中から、本来の家族の姿がよみがえってきます。
子どもと触れ合い、語らい、遊び、絵本を読んであげて下さい。
これが一番の早期教育です。
優れた絵本の物語には、先に生きた人々の子育ての知恵が織り込まれています。
絵本のある子育てをとおして、親だけの孤立した子育てから、多くの人々の経験や知恵に溢れた子育てへと変わることでしょう。
問題解決のための4つのステップ
「してはいけないこと」は、小さい頃からしっかりと教えた方がいいのかな。
叱ると怒るの違いは・・・
「しかる」のが、行為そのものを注意することなのに対し、
「おこる」のは、注意する側の感情が優先すること。
「おこる」ことは、子どもの自己評価を下げるだけで、教育的な効果は期待できません。
問題を解決するにはどうするのかというと、
子どもが困った行動をした時に順序よく考えていくことが大切です。
- どうしたのか?
- なぜそうなるのか?
- どうしたらいいのか?
- それでも上手くいかない時は?
このステップを追うことで、子どもがどうしてそんなことをするのかな。
それに対して親はどうしたらいいのかな。
ということを落ち着いて考えることができます。
三つ子の魂百まで
幼少期の子育ては大切であって、
その教えは百歳までも影響するという昔から日本に伝わることわざです。
つまり、幼少期こそ人生で一番重要な時期だということです。
3歳まで? うちの子はもう遅い? どうすればいい? と思う必要はありません。
3歳までの子育てが全てという訳ではないし、
必ずこうすべきというものがある訳でもないのです。
答えは簡単なことで、日々の生活の中にヒントはあるように思います。