母と子の幸せな人生のために

時代が変化しようとも絶対に変わらない不変の真理は、世の中にあるだろうか。
「人間は必ず死ぬ」「自分の人生は自分しか生きられない」「人生は一回限りである」
「この悠久の宇宙の中で、自分という人間は過去にも未来にも一人しかいない」
そしてもう一つ心に留めておきたい法則は、「子は母から生まれてくる」ということ。
 母親は、お腹に子どもを授かり十月十日、子どもと一心同体の日々を過ごす。
初めて心拍が確認できる頃、赤ちゃんの大きささは僅か1,2ミリ。こんなに小さな体で、一生懸命に心臓を動かしている。母にとって初めて赤ちゃんを愛おしく感じる瞬間。
 それから数ヶ月をかけて、母親のお腹の中で赤ちゃんは次第に人間の姿へ育っていく。
そして、男性が体験したら死んでしまうと言われるほどの苦痛を経て、子どもを産む。
赤ちゃんも、僅か4センチほどの産道を少しずつ進んでくる。
そして、外の世界へと生まれてくる。
 生まれた赤ちゃんは、母親の胸の上に乗せられ、まだ出ないお乳を吸う。
それが母親としての遺伝子のスイッチをオンにする。
産んですぐは、「もう暫く動けない」というくらいに消耗しているのに、不思議と3時間おきにお乳をあげるエネルギーが湧いてくる。
すると、数時間前までは出なかった母乳が、自然と少しずつ出てくる。
数日経つと、3時間を待たずしてパンパンにお乳が張るようになる。
母の身体が変化して、産んだ赤ん坊を生かそうとしていく。
自分の意思とは関係なく、潜在的に持っていた生命のエネルギーが赤ん坊を生かそうとしている。そんな体験を通して、自分自身も天から生かされていることを実感する。
この体験は、母親にしかできない体験だ。
こんな神秘的で、感動的な体験をして産んだ子どもの幸せを願わない母はいない。
しかし、当初感じていた思いは月日が経つほどに、子育ての忙しさ・大変さの中で、どうしても忘れかけてしまう日もある。
その時に、母親自身が心の中に「親になった日のこと」を忘れないで欲しい。
それが子どもの人生を大きく左右するのではないだろうか。
どの人も母親から生まれてくる。だからこそ、母が子に与える影響は大きい。
 いつの時代でも、人生にも仕事にも真剣に取り組んでいる人はいる。
そういう人たちの心の糧になる「志生会だより」であって欲しい。

スマートフォン・SNSが子どもの心をむしばむ

スマートフォンやSNSが子どもに与える悪影響について考察し、世界的なベストセラーとなった「不安の世代」は各国で子どものSNS使用を制限すべきだとの議論を後押ししました。
著者で社会心理学者・ニューヨーク大学教授のジョナサン・ハイト氏が問題の背景と子どもを持つ親たちに向けた言葉をここに記載します。
多くの国のZ世代で不安症やうつ病などの精神疾患が増え始めました。
SNSなどへの依存が現実との繋がりに取って代わり、メンタルヘルスの危機を招いたと指摘しています。
 インスタグラムなどが流す短い動画を際限なく見続けると、集中力の持続時間も短くなります。スマートフォンを使っていなくてもSNSが気になり、目の前の出来事や人間関係への注意が散漫になります。
大人なら使うのを控えれば注意力はある程度戻るが、脳の発達時期にスマホ漬けになった子どもは脳の発達の仕方に変化が生じ、その影響もずっと残る可能性がある。
特に心配なのが、脳の前頭前野がつかさどる実行機能への影響です。
目標を定め、達成する能力に関わります。悪影響を受ければ、目標に向かって時間をかけて努力する能力が身につかなくなります。
 2022年にチャットGPTが登場し、生成AI(人工知能)の利用が日常生活で急速に広がり、子どものスマートフォン使用を巡る問題はさらに複雑さを増しています。
SNSは、子どもたちの注意力を奪い去りました。
そして、生成AIは、子どもたちの人間関係を奪ってしまいます。
思春期に現実の人間関係を生成AIとの関係に置き換えて育った子どもは、大人になってどうやって現実のパートナーと関係を育み、家庭を営むのか。今以上にハードルは高くなり、少子化がさらに進むのではないかと私自身心配になります。
 子どもの成長には、困難なことに取り組む経験が不可欠です。
気まずい沈黙が流れても自分から会話の口火を切るような経験も必要です。
自分の力で道を模索しながら進んでいく経験こそ、人間力を身に付ける為に必要です。
 今は誰もが常に生成AIを利用できる環境にあります。
子どもたちは、あえて困難な体験をする必要性を感じなくなり、結果的に人間として成長する機会を失ってしまいます。
「スマートフォンに依存した子ども時代」を避けるため、子どもに屋外で自由に遊ばせる機会を増やすように、保護者の方には心掛けて頂きたく思います。
子どもは本来、自由な遊びを通じて独立心や自己決定、意見の対立を乗り越えて協力する方法といった様々な能力を育んでいきます。自由な「外遊び」は、人間形成において欠かせない時間です。
子どものSNS利用規制は、オーストラリア・フランス・スペイン・ニュージーランド・アメリカ(一部の州)のように16歳未満の利用禁止も考える時期にきたのかもしれません。