内部ハートピア保育園 開園に向けて

7月虹

 皆様のご理解のもと、四日市市の待機児童緩和のため内部ハートピア保育園の建設が始まりました。これからの時代を支えていく子どもたちの為に、最善を尽くして乳幼児期の保護者支援をしていきます。この街で子育てを楽しみ、少しでも少子化に歯止めがかかってくれることを願っています。 

子どもたちに心のふるさとを

 お母さんのおっぱいの匂い、お父さんの膝の上、十円玉を握り締めて並んだ駄菓子屋、大声で怒鳴ってくれた近所のおじさん、原っぱを吹き抜ける風の音、優しく声を掛けてくれる近所のおばさん、大人には内緒の秘密基地、心の中に帰る所のある人は幸せです。それは「心のふるさと」、わくわくどきどき素敵な所、いるだけで心と体が癒されます。

 かつての日本には、人と人とが助け合い、とりわけ子どもを社会の宝として慈しみ、常に大人の温かい目が注がれる地域社会、子どもたちが安心して子どもらしさを発揮できる所、いわば「心のふるさと」がいたる所にありました。ところが現代においては、共に生きているという意識よりも個人が優先され、思いやりや優しさに欠けた社会になりつつあるように感じられます。

 また、子育ては社会全体で担うものという気持ちが低下し、子どもを産み育てる喜びや誇りも弱まり、子どもとその親が安心して暮らせる地域社会が、少なくなってしまいました。子どもたちは、生活の場である保育園で、日々友だちや保育者と関わり、保護者や地域の人々の温かい目に見守られ、生き生きと遊ぶ体験を通して、子どもらしく健やかに成長していきます。

 社会福祉法人 志生会 は、子どもたちが育つために必要な「心のふるさと」なのです。
いつまでも子どもたちの「心のふるさと」であり続けること、そして、地域社会にも子どもたちの「心のふるさと」を取り戻すことが、地域の未来にとって大切なことではないでしょうか。

子どもたちがどんな大人になってほしいですか

 最近は、私たちの想像を絶する心痛む事件が多発しています。
 私たち人類は、どこへ向かって走っているのでしょうか。
 私たちの生きる目標・目的は、何でしょうか。
 私たちの子育てや教育の目標・目的は、何でしょうか。

 相ついで起こる少年事件で、多くの親たちが「自分の子どもの将来は大丈夫だろうか」という不安を抱くようになっているのではないかと思います。複雑で先の見えない現代社会にあって、親が様々な不安や心配を抱いても、これから育つ子どもに、そうしたマイナスの気持ちを向けることは決して好ましいことではありません。

 なぜなら、子どもは親が自分に対して向ける不安や心配を敏感に感じとり、そのために親の愛情に確信を持つことが困難になるからです。 幼い頃から、対人関係の能力を豊かに育て、社会性を身につけ、他者と関わることの楽しさ等を育てていくことが、人間形成にとって大切なことだと思います。

 子どもの自立は、親が教え込んだり、突き放して強制したり、先回りしてお膳立てしたりすることではなく、親との心の絆を通して、子ども自身が秘めている「育つ力」を促すことで成し遂げられると考えてよいでしょう。