子どもたちの健全育成のために子育ての原点とは

 一人ひとりの子どもは、生まれながらにしてその性格が決まっているのでしょうか。
それとも関わり方によって、変わるものなのでしょうか。
私たちは、図らずも意志を持った人として、「子どもを育てる」という大きな役割を担っています。
もしも、関わり方によって子どもの育ちが変わってくるとしたら、保護者・保育者には重要な役割と責任が課せられていることになります。

 私たちは、「どのような子に」、「どのような大人に」、そして「どのような人間に」なって欲しいと願い、日々の子育てを行っているのでしょうか。
安易に「自由さ」や「個性」を重んじる今の世の中で、何をどうしたら、健やかな「子育て」ができるのでしょうか。

異年齢縦割り保育について

 私たちが育った時代と比べると、社会は急速に変化をしました。
核家族化が進み、一人っ子が普通となり、地域とのつながりが薄くなり、人とのコミュニケ-ションが取れない子どもが急増していることは事実です。

 乳幼児期において異年齢という集団の中で、「多様な人間関係」を経験することはとても大切だと思います。
自分より幼い子どもを可愛がったり世話をしたりする喜び、おにいちゃん・おねえちゃんのようにやってみたいという意欲、子ども同士の関わりの中で自己をコントロールする力などが育つことによって、「人と関わる力」が身についていくのです。
毎日の生活の中で、園庭で遊んでいる時、給食を一緒に食べる時、手を繋いで散歩に出かける時、お誕生会を一緒にやる時、お手伝いの為に他のクラスに行く時、このように色々な場面で時間を共有しています。
もちろん、それぞれの年齢にとって必要なことは、年齢別に活動を行っていきます。

 毎年実施している職業体験に来た中学生との交流やふれ合い遊びの時に、学生たちも、どのようにして小さい子どもたちに接して良いのか戸惑っています。
時間が経つにつれて、子どもたちにも笑顔が見えてくると、学生たちにも緊張が取れた様子で、楽しい時を持つことが出来ます。
このような異年齢の活動も、保育園だから出来るのかもしれません。
多様な人との関わりの中で、子どもたちが「生きる力を身に付けてほしい」と強く思っています。
次回は、モンテッソーリ活動において異年齢縦割り保育で育った子どもたちの姿をご紹介させて頂きます。