「やればできる」という自信は何処から生まれるのか

 小さな成功体験から生まれる心の中に芽生えた自信、この自信の積み重ねが新たな大きな山を乗り越える力になります。
温かく見守られた眼差しの中で過ごした乳幼児期が、子どもの「やればできる」という自信を作るのです。
そして、「愛されている・認められている・見てもらえている・気にかけてくれている」
と実感できることで、「やればできる・自分に価値がある・自分は自分でいいんだ」という「存在に対する自信」つまり自分の在り方を大切に思う気持ち『自尊心』が芽生えてきます。
これからの人生を生きていくのに必要なものは、この自尊心であるように私は思います。

「聴き上手」になる

 普段、家庭で気づかぬうちにとっているコミュニケーションを振り返ってみましょう。
例えば、子どもが保育園の様子などを話しかけてきた時、次のような対応を無意識のうちにしていることはありませんか?

  • テレビ、パソコンの画面や新聞、雑誌を見ながら話を聞く
  • 子どもが話し終える前に先走って結論を出し、話の腰を折る
  • そっけない相づちや機械的なうなずきで空返事をしてしまう
  • 子どもの表情を見ないで、他の事を考えながら話を聞く
  • 話の途中で「じゃあ、こうしたら?」とアドバイスや命令をする

 

 忙しかったり、気持ちの余裕がなかったりすると、つい子どもに対していい加減な聞き方になってしまいがちかもしれません。
しかし、これでは自分は「聞いた」つもりでも、相手は「聴いてもらっていない」となり、コミュニケーションギャップが生じてしまいます。

 自然に音声が耳に入ってくるのは「聞く」です。 円滑な親子のコミュニケーションはそうではなく、相手のほうに意識を向けて、「聴く」必要があるのです。「コミュニケーション上手は聴き上手」と言われるゆえんです。 相手の話を「聴く」時の大切なポイントは、相手の言葉を繰り返すことです。
例えば、子どもが、「こういう事があって、悔しかった」と言った時に、親は、「そうか、悔しかったんだね」と受け答えてあげる。 このような受け答えの中から、自分のことをよく理解してもらえているという実感として信頼感や自己重要感を持つことができるのです。
ところが、親は忙しさから、同じ言葉を繰り返すのではなく、ついつい答えを言ってしまいがちです。 聴き上手になるには、相手の話に集中し、話を聞き出すようにしなければなりません。 しっかりと子どもと向き合ってあげて下さい。

わが子を抱きしめる 小さな体はもちろん 思いも感情も
ぜんぶ抱きしめる それが一番のプレゼント

 小さな時の思い出はあまり残らないけれど、あたたかい胸の中や膝の上で憶えた安心感は、いつまでも忘れません。
子どもが一番ほしいのは、あたたかさとやさしさと、信じてもらえる安心感。
だから、心の豊かな子どもに成長するためには、大人から豊かな心をいっぱいもらうことが大切なのです。