命の尊さ

 内部ハートピア保育園に1歳から2年7ヵ月通い、4歳の誕生日前に「小児がんである神経芽腫」という病気で三重大学病院に入院していた女の子が、令和6年4月28日に亡くなりました。
 保育園に戻れることを信じて病に立ち向かった5年6ヵ月の人生、この子にとっては保育園でのお友だちと遊んだこと、先生と一緒に取り組んだモンテッソーリ活動、運動会、保育発表会・・・
3歳のお正月に一時退院をした時に保育園に寄って頂き、ご両親からこれから始まる放射線治療のこと、元気なうちに思い出をいっぱい作ってあげたいという気持ちをお聞きしました。私と凧あげを一緒にして、元気に戻ってくることを約束した笑顔を絶やさなかった女の子・・・
 小さいながらに一生懸命病気に立ち向かい、それを支え続けたご両親、医療スタッフの皆さんに、命がどんなに大切かを教えて頂きました。
保育園の先生やお友だちは、ずっと傍にいるよ! ~天使になったエマちゃん

天使の寝顔は 最高のプレゼント

子どもの寝顔って なんてこんなに可愛いのだろう
起きている時は 泣いたり やだやだばかり
でも こんなに幸せそうに眠っているのを見ていると
今日の色々な出来事が どうでもよくなってしまう
さあ 明日は笑顔でがんばろう!

環境が子どもを育てる

 モンテッソーリ教育は、「自由に基礎をおく教育法」と言われています。
ですから、モンテッソーリが言う「自由」の意味とか範囲を正しく捉えることは、モンテッソーリの人間観やその教育の性格を明らかにしていくことにも連なると思われます。
 モンテッソーリは、子どもを科学的に研究する為に先ず子どもに自由を与え、自発的に自分を現すのを盛んにし、その自由に振る舞う子どもを観察することによって、すべての子どもが生まれつき自発的に成長発展する力を持っていることを発見しました。
成長に必要な環境条件が整えられて、そこで子どもが真に自由に生きることが可能にされると、その子どもの中に思いがけない新しい側面が現われてきます。
すなわち規律です。真の自由を与えると、真の規律が獲得されるのです。
「規律」とは、外から押し付けられるのではなく、子どもの内面から生じてくるものであり。それは、長い期間にまたがる内面の成長の現れです。
 人は、環境と教育によって「人間」になっていくと言われています。
故に、この規律を獲得するには、どのような環境を整備する必要があるのでしょうか。
無力な存在として生まれてきた子ども、親に依存していた子ども、その子どもに対して「自立」という方向性を示し、環境を整備してあげるのが親や教師の務めです。
自立の獲得の過程で出てくる「敏感期」という時期において、親や教師は常日頃から
子どもをよく観察し、敏感期に見合った環境を整えて、子どもの要求を満たしてやらなければなりません。また、その時期は一過性のものである以上、それを逃すと取り返すのに大きな努力が必要となります。
このようなことを踏まえながら、敏感期に対応できるような教具・教材が豊富に準備され、秩序が保たれていれば、子どもは秩序を手がかりにして区別したり、比べたりすることにより、手や身体を動かし「人格」を形成していくのです。
ただこの場合、親や教師は子どものリズムやテンポを考慮し「教える人」ではなく、「子どもの成長の援助者」に徹する必要があります。

ド・フリースの敏感期とは

 蝶は、木の股に卵を産みます。そこが一番風雨に安全だからです。
ところが、ここで卵からかえった毛虫は、そこにある大きな葉っぱは食べることが出来ません。
この毛虫が食べることが出来るのは、木の枝の先にある小さな新芽だけなのです。
どうして遠くにある新芽に気がつくのでしょう。それは、新芽を食べなければならない
ごく限られた期間だけ、環境の中の様々な要素のうちから、光という要素に対して非常に敏感な感受性が出てきて、明るい方へ明るい方へとひかれていく。
そして、一番明るい所に来ると自分の食べることが出来る新芽があるわけです。
これを食べて、もう大きい葉っぱでも食べられるようになると、光に対する敏感な感受性が無くなって、今度は別なものに対する敏感な感受性が出てくるのです。