勇気ある少女

 一人の少女は、勇気と希望、静かな情熱を持って、多くの人たちに向けた新たな教科書を書き始めた。
競泳の 池江 璃花子 さんは、自ら白血病を公表する道を選んだ。
「必ず戻ってきます」と言った東京の下町で育った高校3年生、4月には水泳界の名門大学への進学が決まり、来年の東京オリンピックで金メダル候補と言われている「下町の太陽」は輝きを放っていた。
 一瞬の隙を突いて忍び込んだ病魔に「私自身 いまだに信じられず混乱している状況です」と戸惑いながらも白血病を公表した。一人の少女の勇気に頭が下がります。
白血病に対する医学の進歩は目覚ましいと言われていますが、完治までの道のりは決して楽ではありません。

 保護者の皆様も彼女の力強いメッセージを心に止めておいて下さい。
彼女は、「神様は乗り越えられない試練を与えない 自分に乗り越えられない壁はない」と目に涙を浮かべながら話をされました。
そして最後に、「私にとって競泳人生は大切なものです ですが今は完治を目指して焦らず周りの方々に支えて頂きながら戦っていきたい」と述べて会見を終わられました。

 18歳の少女の勇気に共感し、「自分がもし彼女の立場だったら」このような力強い受け答えが出来るだろうかと思ったのは私だけでしょうか。
逆境にも負けない逞しさや他の病気の人たちにも勇気を与える言葉に感動し、これから彼女の人生そのものが、周りの人々にとっての素晴らし教科書になるのではないかと感じました。
下町の太陽 璃花子さん 元気になってプールに戻ってきて下さい。

低下する子どもの体力・運動能力について

 文部科学省が1964年から行ってきた「体力・運動能力調査」によると、1985年前後から長期的に体力(人間が身体を動かす力)や運動能力(身体の使い方や身体のこなし方など神経系の身体をコントロールする力)が低下していて、現在も回復することなく低い水準にとどまっています。

 乳幼児期においては、この運動能力がしっかり育つことが大事であると思います。
現在の年長児の運動能力は、30年前の年少児と同じという統計資料もあります。
運動能力を低下させる直接的な原因は、2つあると言われています。
一つは、走る・跳ぶ・投げるなどの様々な動きを繰り返し行う遊びの経験が減っていることです。そしてもう一つは、運動量そのものが少なくなっていることです。
つまり「遊ばない」ことが、体力・運動能力が低下する原因であると思います。

 子どもが遊ばなくなった背景には様々な要因があります。
例えば、車社会になって遊び場そのものが無くなり、子どもの数が減って遊びの集団が機能しなくなりました。そして外遊びから室内遊びに興味が移り、テレビゲームなど動きの伴わない遊びが増えたことも事実です。
それによって、友だちと遊びが面白くなるように工夫したり、小さい子が遊びに加わった時に一緒に楽しめるようにルールを変えたり、飽きてきたら違う遊びを展開したりする機会も少なくなりました。

 子どもたちが、遊びを通してコミュニケーション能力が自然に育ち、他人に対する思いやりの心が育つ機会が少なくなったことはとても残念です。