追想

 忙しい日々の中で、ふと幼児期のことを思い出してみて下さい。
父や母に叱られて泣いていた自分、友だちと喧嘩した時の自分・・・
みんな、色々な人と関わって成長し、大人になったことを・・・
静かな時の流れの中で、夏の空を見ていて、このような事を思いました。

 子どもに関わる仕事がしたくて始めた保育園、28年の月日が過ぎ去りました。
「一人ひとりの違いを受け入れる心」を大切にした保育がしたくて始めました。
いつもそのような気持ちで、子どもに接しているだろうか・・・。
いつか読んだ金子みすず氏の詩「わたしと小鳥とすずと」の中にあった
「みんなちがって、みんないい」という言葉を思い出しました。
このような優しさが、今の私たちにあるだろうか・・・。
自分への優しさが育てば、他者への優しさも自然に芽生えてきます。
その優しさを少しでも他の人の為に分けてあげようと考えるようになれば、
もうそれだけで貴方の優しさが、大きく膨らんできている証拠となります。
日々のこのような努力が、いつか「みんなちがって、みんないい」と言い切れる自分に成長し、そのような社会ができるのかもしれません。

 そして、私の好きな言葉である「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」を心に刻んで、日々過ごしたいと思います。

気になる子どもの行動心理

ぐずぐず、不機嫌な子ども

  保育園に登園しても親と別れる時にぐずったり、素直に活動に参加できなかったり、日によって気分にムラがある子どもがいます。
 子どもが不機嫌な時に、大人は心理的な原因を探しがちです。しかし、それよりも生活リズムなどに注目し、その改善を図った方が子どもの状態は良くなることでしょう。

 生活リズムの安定には、保護者の協力が不可欠です。
特に睡眠が子どもの状態に影響するので、家庭の様子(特に寝る時間)をクラス担任に明確に伝えて下さい。
また寝る前には、テレビゲームなど神経を刺激する遊びはさせない、寝る時には部屋を暗くして、テレビなどを消し静かな環境にするなど心がけて下さい。

自分の思い通りにしたがる子ども

 人の物を勝手に使い、他の子どもとの争いが多く自分から折れることが出来ない。
 子どもは、2歳前後から自分の思い通りにしたいという姿を見せます。この時に大人と衝突しながら、思い通りになることばかりではないと学ぶ必要があります。人のおもちゃを勝手に使う子は、それが自分の物で自由に使えると思っているのでしょう。
だから「貸して」と言えず、相手からの「いいよ」の返事が待てません。
何事も自分の思い通りにしたがる子どもは、他の子との争い事が起こりやすくなります。
また、このような子どもは大人に対しても指示や命令をする傾向があり、生意気な子どもに思われたりします。
我が強いというよりも、決定権を誤解していると捉えた方が良いのかもしれません。
決定権を誤解していると、人の意見を聞き入れにくくなり、友だちと話し合いをしても自分から折れることがなかなか出来ません。

気持ちの切り替えが上手くできない子ども

 言葉で思いを表現できずに泣いて騒ぎ、感情的になりやすい。
 泣いて要求を訴える赤ちゃん時代から、子どもはだんだんと泣かなくなります。
泣くという行動から、「やりたい」「いや」など言語によって自分の思いを表現するようになります。
一般的に3歳前後から泣いて要求する子に対して、「泣いていたらわからない」「泣かないで話しなさい」「小さい声で言いなさい」と伝えていきます。
感情のコントロールが出来ない子は、喜怒哀楽の中でも怒りを強く出します。
「怒らない」と言って、怒りを自制できるようにしていく必要があります。