教育の礎は家庭にあり

20175月のコラム

 日本には、古くから「手塩に掛けて子どもを育てる」という言葉があります。
この言葉の意味は、「自ら手を下し、心を込めて、骨を折ることである」と辞書に記されています。

 保育園や幼稚園で絵本を読んでもらっていても、家庭においてお父さんやお母さんが自分の声で読んであげなければ、教育の土台が失われてしまいます。
絵本は、わずか5分か10分で一冊読むことが出来ます。
忙しいから絵本を読んでやる暇がないのではなく、子どものほうに心を少し向けてあげて下さい。心を込めて、絵本を読んであげて下さい。その時、子どもは貴方のほうに心を一杯に開き、耳を傾けて貴方の言葉を聞くでしょう。自分に向いている貴方の愛情を一杯感じるでしょう。それが、親子ではありませんか。

 子どもが成人した時、幼児期のこのような思い出は、親にも子どもにも心の中にはっきりと残っていきます。
これが、「人間の絆」と言うものかもしれません。
そして、このような幸せな時間を親から与えられた子どもは、大人になった時、自らの幸せをしっかりと築き上げ、人とそれを分かち合える人間に育つと確信しています。

子どもの目を見ていますか

 自分の声や表情に周囲の人が反応する。そんな体験を積み重ねて、子どもは人との関わり方を学び、心が豊かに育っていくのです。

 ある小児科の医者が、授乳している時でも子どもの目を見ない母親が増えたと嘆いていました。
私たち大人は、慌しく日々の生活を送っています。
つい家事をしながら、テレビを見ながら、新聞を見ながら、・・・・・ながら、子どもと会話を交わすことはないでしょうか。
今、他人とうまくコミュニケーションがとれず、社会に出て行けない若者が増えています。問題は、幼児期から根を張っているのかもしれません。

 子どもの目を見て、「おはよう」「いってらっしゃい」「保育園は楽しかった」、このような会話が交わせる家庭にしたいですね。